ゆたかわ雑記

有象無象

前玉の古墳群 その3

 

ブログ三日坊主すぎ問題。

前回ブログ書いてから1年経っている…。

 

さきたま古墳群、次に見学したのは将軍山古墳。

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美しさすら感じられる前方後円墳でした。

将軍山古墳には展示館があって、最初の訪問時には時間外だったので後日再訪しました。

6世紀後半に築造されたと推定されているとのこと。この古墳にも造出し部が設けられている。

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こちら展示館。発掘された石槨が復元展示されていました。

現在の将軍山古墳は発掘調査の上復元されたものなんだそうです。復元前はちょうど前方後円墳を真ん中でスパっと切断した半分くらいしか残っていなかったらしい。将軍山古墳も他のさきたま古墳群の古墳と同じく埋立用に土を持ってかれてる。

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将軍山古墳の特徴は馬具類が豊富に出土していることで、馬冑の出土は全国で2例目だったとのこと。こういった出土品から古墳時代の馬の装いを知ることができるので貴重。

展示館の中は基本的に撮影禁止だったけれど、石槨の再現展示は結構見応えありました。日本は酸性土壌だから土中にある有機物は綺麗に分解されて何も残らないわけだけれど、これだけ石に囲まれているから千年経っても副葬品が残るわけですね。

副葬品には金製品も多く、そもそも6世紀に馬冑とともに葬られているわけだから相当に有力な人物だったのでしょう。

 

将軍山古墳の展示館見学後は前回も行ってはいたけれど前玉神社を再訪。

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前玉神社は大変興味深い神社で、浅間塚古墳という円墳の墳頂にお社が建立されています。鳥居の写真の奥のこんもりした山が古墳でありお社です。

前玉神社自体は延喜式神名帳にも記載のある大変古い神社。創建年代は不詳。浅間塚古墳の築造は、前玉古墳群の築造が終わりを迎える7世紀前半頃と考えられているそう。社殿は前玉古墳群を拝するような方向に建てられている。

もしかすると前玉神社は古墳から神社あるいは仏閣へと、信仰のあり方が変わる転換期にちょうど築かれたのかもしれない。古墳の上に神社が建っている例は国内に他にもあると思うけれど、とてもおもしろいので全国どんどんお詣りしていきしたい所存。

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階段を登った上に立派なお社があります。

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彫刻が思いがけず細かくてこれまた見応えがありました。モチーフは謎。解説欲しい。

解説なんもないからわからなかったけれど、指定文化財とかにはなっていないようだから比較的新しいものなのかもしれない。

境内に猫が多いからか猫の絵馬やお守りも販売されてました。最近多いね。

前玉神社の御祭神は以下の二柱。

・前玉彦命(さきたまひこのみこと)
・前玉比売命(さきたまひめのみこと)

誰やねんて感じですが、前玉比売に関しては古事記に登場するらしい。

古事記の前玉比売は、天之甕主神(アメノミカヌシノカミ)の娘であり、

大国主神の子孫である速甕之多気佐波夜遅奴美神(ハヤミカノタケサハヤジヌミノカミ)との間に甕主日子神(ミカヌシヒコノカミ)を生んだとされている。

なお、前玉彦に関する記述は記紀には一切ないらしい。単純に考えれば二柱は夫婦神になるので前玉神社も夫婦円満や縁結びをご利益にしている。

古事記をベースにすれば前玉彦=速甕之多気佐波夜遅奴美神になるのだけれどなんかピンとこない。基本的にこれらの神々は古事記にしか登場しないことと、おそらくみんな農耕神であろうということが共通している。(甕は古代では重要な農具であるため)

そして大国主の子孫であることから出雲系の神々ということになるのだけれど、埼玉で出雲系?

古代人の行動範囲は本当に侮れないのでありえない話ではないのだけれども。もしそうなら稲荷山古墳の金錯銘鉄剣にも書いてありそうだし。中央と出雲の関係を考慮して敢えて記載しなかった?出雲の方にももっと資料が残ってそうなものだけれど。色々と妄想が膨らみます。

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前玉古墳は御手水舎の彫刻も立派です。

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季節ごとにお花が変わっていて可愛らしい。

前玉神社を参拝したあとは埼玉県立さきたま史跡の博物館へ。

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埼玉県名発祥の碑も拝んできました。
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さきたま史跡の博物館では国宝の金錯銘鉄剣(本物!!!)も拝観できます。

写真撮影OKだったみたいだけどなんか遠慮しちゃって全然写真撮らずに出てきてしまった。

たまにこういうことある。

どちゃどちゃに国宝を間近で拝めるのに入館料200円なのでみんな行った方がいいですね。

いつでも国宝拝める環境になってるのって本当に有難いことです。

帰りに近くの茂美の湯に入って帰宅。

茂美の湯、ちゃんと温泉なのに休日も比較的空いてて、露天風呂がとても広くていい施設でした。

また埼玉ドライブした時に寄ろう。